長崎旅2025 ①

「日本出身なんだって?僕はポルトガル出身だから、次に日本に行く時は長崎に行ってみたいんだ。ポルトガルとゆかりがある場所って聞いたからね。」 

2023年の秋、私は初めてパートナーの妹に会った。その時一緒に挨拶したのが、ポルトガル出身の彼女の旦那さん。ポルトガルで生まれて10歳からドイツに住んでいる彼は、コロナ前に一度日本を旅行したがあるそうだ。そして、パートナーの妹家族に挨拶ということで、ドキドキしながら向かったカフェで、まさか「ナガサキ」という音を聞くとは。人生、どこにどんな出会いがあるか分からない。

その日の帰り道、思い出したのが大学で知り合ったKちゃんだった。私が人生で初めて出会った長崎出身の人だ。彼女とはドイツに来る前に東京で会ったのが最後で、この数年は連絡が途絶えていた。今、どこで何をしてるんだろう。だけど時代はSNS全盛期。そう思った半年後、そのKちゃんがなんと私のインスタグラムをフォローしていることが判明し、数年ぶりに連絡を取ることができた。Kちゃんは大学卒業後は東京で働いて、また長崎に戻っていた。

その後、私とパートナーは少しずつ日本の一時帰国の旅程を組み始めた。情報収集をする中、久しぶりにKちゃんに会いたい、海水浴をしたい、離島に行きたい、知らない文化に触れてみたい – 長崎に行きたい理由が次々に出てきた。ということで、パートナーと私と娘の今年の旅行は、長崎から始めることに決めた。

待ちに待った出発日。飛行機の窓から見える長崎の海は、とんでもなく綺麗だった。透明度が高くて、私たちの飛行機が海面に映っている。到着すると、南国特有の(まあ東京も今は南国みたいだけど)空気が肌で感じられた。長崎空港からまずはバスに乗り、次に路面電車を使ってホテルまで移動する。路面電車は、長崎では「電停」と言うことを知ったのはこの日だった。

教会や西洋風の建物、中華街、そしてレトロな建物。長崎と言えば、日本史で習う「文化の入り口」、色々な文化が混じり合う場所。そして地理的に坂が多い県。市内を歩いていると、今まで聞いていたキーワードを、歩きながら実感した。まるで、頭の中だけに存在していた知識が突然目の前に現れたかのようだった。

耳をすませると、方言が聞こえてきた。電停の停留所の近くでは、長崎県警の「渡らんで 危なかよ」との文字。長崎の方言は、何だか暖かくて柔らかい感じがする。そういえば、大学生の時に一度Kちゃんに方言を教えてもらった時に、何だか愛らしいなあと思ったことも思い出した。(無いよ、が「なかとよ」になるらしい。)

今回、せっかく長崎に来るなら、ということでKちゃんのに教えてもらったレストランは、吉宗(よっそう)。彼女の旦那様の名前で予約したので、私達は生まれて初めて発音する苗字をスタッフに伝えて入店した。パートナーに、日本っぽいものを味わってもらいたいと思って来たけれど、ここを選んでよかった。外装だけじゃなくて、階段、お座敷、窓も、食事が運ばれてくる前から、店の雰囲気も味わえる。もちろん、注文した茶碗蒸しセットもバッテラも大変美味しくいただきました。150年もの伝統があることも素晴らしい。だけど、地元のお客さんもたくさん入る、愛されているお店であることが印象的だった。オンラインで注文できる時代だけど、きっとこの場所で食べるのが一番美味しい。

グラバー園は、素敵な場所だった。西洋風と和風の建物も、敷地も、ただ歩いているだけで楽しい。ここで当時暮らした人はどんな思いで長崎にいたのかな、と思いを馳せてみる。ちなみに、訪問した時はちょうど近くの芸術大学の展示があって、園では色とりどりのアートが花を咲かせていた。

近くに山と海があるのが当たり前の長崎。グラバー園は丘の上に建てられているから、山も海も見渡せる。そして、その敷地では特に良い空気が循環しているようだった。「氣が良い場所」って、きっとこういう場所のことを指す。見晴らしが良い、と言えばそれまでだけど、風水は全く分からない私が初めてそう感じたのがこの場所だった。

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